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認知症

認知症とは、認知機能障害により、判断力が低下し、社会生活機能が障害される疾患です。65歳以上高齢者の認知症の有病率は5〜15%で、100歳をこえると50%を超えるとされています。認知症を起こす病気はいくつもありますが、アルツハイマー型認知症、血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭葉変性症の4つが代表的です。また、認知症の前段階とでも言うべき、MCI(軽度認知障害)というものもあります。これらについて記載していきます。出典:認知症診療医テキスト(日本精神神経学会)、認知症テキストブック(日本認知症学会)

アルツハイマー型認知症(アルツハイマー病による認知症)

アルツハイマー病は、老人斑を引き起こすアミロイドβと、神経原線維変化を引き起こすリン酸化タウが、大脳に広範に蓄積する病気で、認知症疾患の40〜70%を占めると言われています。これらの成分の蓄積は、認知症を呈する20年以上も前から始まり、ゆっくりと進行するということが分かってきています。最初に側頭葉内側の神経細胞が影響を受けるため、まずは近似記憶(最近の事柄に関する記憶)の障害から発症する例が多く、同じ話を繰り返す、物を置き忘れる、などの症状から見られますが、進行すると記憶全般が障害されます。その後に病変が頭頂葉に進むと、視空間認知障害を呈し、道に迷ったりするようになります。最終的には寝たきりとなることもあります。
一般的な治療薬として、ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミン、メマンチンが挙げられます。このうちリバスチグミンは貼付薬で、その他は内服薬です。いずれも本疾患の認知症症状の進行を抑制する効果が認められていますが、病気を根本的に治す効果は確認されていません。なお、使用できる医療機関は一部に限られていますが、最近では点滴薬が開発されており、今後の展開が期待されます。

血管性認知症

血管性認知症とは、脳血管障害(脳梗塞や脳出血)や脳循環不全による認知症で、認知症全体の10〜40%を占めると言われています。一般的に、高齢になるほど他の脳疾患との合併の可能性が高まりますが、血管性認知症は特にアルツハイマー病との合併率が高いとされており、両者が併存する可能性を念頭に置いて治療していきます。とはいえ、血管性認知症を発症してからの治療は困難なので、予防が重要となってきます。危険因子として、高血圧、糖尿病、心房細動、虚血性心疾患、肥満、脂質異常症、喫煙、飲酒が挙げられており、いわゆるメタボリック症候群を含む内科疾患や生活習慣が深く関わっているため、内科のかかりつけ医などに相談して、これらをしっかり治療することで血管性認知症が予防できると言われています。

 

 

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